第6回・料理漫画あれこれ

 という訳で、久々となる今回の娯楽天国は相変わらずの思いつきで「料理漫画」について書いてみようと思います~。ただし、あくまで私の知識の及ぶ漫画が範疇なのでカバーできない作品が多く出てくるのでご了承くださいな。

 さて、そもそも今回の書き始める動機を作ったのは「美味しんぼ」の文庫本を弟が大量にブックオフの100円コーナーで発掘した事です。「美味しんぼ」は昔から漫画は勿論、アニメ(私が小学生低学年くらいのときですが)やドラマ版などで、誰もが少しは知っているでしょう。
 基本的なストーリーは、東西新聞に勤務する山岡さんと栗田さんが東西新聞創立100周年記念行事として「究極の料理」を作るというところから始まり、途中から山岡さんの父親であり「美食倶楽部」の主催者・海原雄山の「至高の料理」との料理対決を繰り返していくというものです。

 「美味しんぼ」に関して言えば、RYOの家に「美味しんぼ」が全巻揃っているので、遊びに行くと空いた時間に私も大巨人も必ず手にとって読んでしまいます。ここで毎回のお決まりが、海原雄山リスペクトの私とアンチ海原雄山の大巨人との論争です。
 巻を追うごとに海原雄山は好々爺と化していくのですが、当初の海原雄山は事あるごとに作り直しや暴言を吐く外道として描かれており、大巨人は非難の言葉を投げかけて来ます。更に中盤以降に出てきた金上(かねがみ)社長という雄山以上の外道を「雄山に対抗できる唯一の存在」とリスペクトする始末。金上社長が雄山によって失脚された事を未だに嘆いています。
 このように「美味しんぼ」は私の周りでは微妙な根付き方をしていて、RYOなどは食事に行くと「美味しんぼ」の引用で薀蓄を語ったりして、見ていてとても愉快です。

 前述した「究極の料理」と「至高の料理」のような料理バトルを更に前面に押し出したのが、週刊少年マガジンで連載していた「Mr.味っ子」です。料理の天才少年・味吉洋一が様々な分野の料理人と相手の得意料理で勝負し当然のように勝利するというストーリーで、今年の横浜ベイスターズ並みの勝率の山岡さんとは対照的に勝率は9割を余裕で超えています。
 この「Mr.味っ子」については、伝説とも言えるアニメ版の方が一般には通りが良いでしょう。特に、試食後の味皇(あじおう)のリアクション(巨大化したり火を噴く等)は子供心には衝撃的でした。

 同じ週刊少年マガジンで、この路線を世襲し発展(正しくは暴走)させたのが「中華一番」です。これは題名の通り中華料理をテーマにした料理バトルがメインの漫画でアニメ化もしました。
 余談ですが、アニメ版の第1話において、審査員の李提督が麻婆豆腐を食べた後に、あまりの美味さに何故か豆腐を箸で積み上げるというパフォーマンスを繰り出し、それを見た大巨人が後日、味皇のリアクションを超えた!と、興奮気味にほたえていたのが数年経った今も忘れられません。
 
 「中華一番」は比較的短い作品なのですが、続編として連載された「真・中華一番」は中々の長編作品となっています。そして、この作品は「Mr.味っ子」をある意味で超えたといえます。それは、料理勝負の後に負けた悪役が普通に死んだりするのです!この行動には思わず「明日がある」を歌って諭したくなります。
 更に悪役の姿形も近年稀に見るパワーアップをしており、死ぬほどゴツイ筋骨隆々のお兄さんは勿論、鎧を着込んでいたり、包丁をまるで武器のように装備していたりと大巨人曰く「悪魔超人のような料理人」のオンパレードでした。
 ストーリー的にも異常な暴走をみせ、伝説の厨具が出てきたり、梁山泊に立て篭もる悪役料理人の大集団と対決したりと熱い展開が続きましたが、最後までテンションが維持できなかったのか最後は打ち切り気味に終了してしまいました。終わり方的には「ライジングインパクト」同様に最後の対決を端折っていて、最後の相手が私の好きな「フェイ・ランフォウ」なので、とても無念でした・・・。

 現在連載中の「料理漫画」の中で、最も楽しませてもらっているのが週刊少年サンデーで連載中の「焼きたてジャぱん」です。パンを題材にした料理勝負がメインなのですが、この作品では美味しいパンを食べた審査員が天国に行ってしまう等の行き過ぎたリアクションが楽しめます。色々な意味で一読の価値があると思います。

 長々と書いてきましたが、結論的には「料理漫画」は確立されたジャンルだといえます。ただ、やはりというか週刊少年ジャンプ系列では「料理漫画」は生き残れないようで、目ぼしい作品がありません。(バトルマンガ至上主義ですから仕方ないと思いますが・・・。)
 これから先も、このジャンルには突飛なアイディアを生かせる作品で楽しませて欲しいと思っております。 


© Rakuten Group, Inc.